極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

ウラジオストク訪問記 6

<6日目>
 韓国でのトランジットは、本当に便利だ。日本を脱出するために、函館から富山まで国内移動をした往路のことを思えば、復路はソウルで1泊してゆっくり函館に到着することができる。韓国経由でウラジオへ行き来する人が増えているのも納得だ。
 朝起きて、すぐに空港に向かい、チェックインを済ませてから朝ごはんとなる。趙さんは気を利かせて、日本食を用意してくれていた。焼き鮭にお味噌汁の定食、だが海苔だけは、ゴマ油のついた韓国海苔だった。
 飛行機に乗るまでの1時間、自由行動となり、分散する。私はとにかくコーヒーが飲みたかった。ロシアではインスタントばかりで、一度もドリップしたコーヒーにはお目にかかれなかった。すぐさまスターバックスで、ただのブラック・コーヒーをたっぷり飲む。幸せだー、これが本当に飲みたかった!仁川空港は本当に広くて、免税店も充実していたが、コーヒーでずいぶん時間をとってしまった私は、残りの時間で急いでキムチを買っただけだ。
 集合場所となった搭乗口に着くと、函館の中学生派遣チームと合流した。みんな元気だったが、一人だけ熱を出した子がいた。ロシアを離れて緊張が解けたようだ。
 大韓航空773便函館行き、9:45発12:15着。ウラジオ-ソウル便とは違い、乗客はほとんど日本人と韓国人。アナウンスも日本語と韓国語。とうとう日本に帰るのだという気分になる。旅もそろそろ終わり。華やかな式典や発展しつつあるウラジオの今の様子を肌で感じることができた。懐かしい人々にも会えた、とても実りのある旅であった。
 今回の旅で一番の収穫は、人のきずなを実感できたこと。ロシア極東国立総合大学函館校の学生、ロシア人の留学生、はじめてロシアを訪れた函館の中学生たち、彼らが新たな架け橋となって、函館とウラジオストク、日本とロシアをつなぐだろう。国と国では様々問題も抱えているけれど、私たちはそれを越えた、地道なつきあいを積み重ねてきた。そしてこれからも、それが続くよう願っている。(おわり)

ロシア極東国立総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子