極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

2017ウラジオストクの旅 8

 <5日目 夜>
 スポーツ湾からまっすぐ伸びているアドミラーラ・フォーキナ通りは長い階段状になっていて、街中に戻る時は昇るような形になる。別名“噴水通り”の名が示すように、いくつもの噴水や花壇が美しく、ベンチでは人々がゆっくりと休むような、おしゃれな通りである。
 
 
 その通り沿いにあるカフェ「ウフ ティ ブリン」でひと休み。ブリヌイはロシアのクレープで、ハチミツやサワークリームのかかった甘いものから鮭や野菜を包んだ食事用のものまで、さまざまな種類がある。そのカフェもメニューがたくさんあり、とてもおいしいと地元に住んでいた人から勧められたのだ。
 カウンターで注文してお金を払うスタイルなのだが、渡されたメニューがハングル語。最後までめくってもハングル語なので、“Я Японка!(私は日本人よ!)”と叫ぶと、苦笑いで日本語のメニューをくれた。という訳で日本語のメニューもあるので安心です。
 
 それからホテルに戻り、他の人々と合流。他の人々は路線バスに乗り、エゲルシェリド半島の先にあるトカレフスキー灯台を見に行ったそう。干潮時には水が引いて浅瀬になるので、灯台まで裸足で歩いて近づけるそうだ。ロシアで路線バスに乗るのも楽しい。
 明日の帰国を控え、ホテル近くのお土産物屋さんや、広場で売られている中央アジアの果物などを見て回った。この時期はウズベキスタンのメロンやぶどう、プルーンなどが売られ、どれも甘くておいしい。
 
 
 帰り道は花屋通りという、お花屋さんだけが両側に並ぶ小道を通る。ここはスヴェトランスカヤ通りに沿った建物の中にあり、昔日本にもこういう建物の中の雑多な雰囲気の市場がありましたね、という感じだ。色とりどりの花も美しいが、植物の切り口から出るお花屋さん特有の青い匂いがまた心地よい。ロシアは日本よりも花を贈る機会が多いので、花屋さんの数も多い。
 結局、初日以外の夕食は自由行動にしようと思ったが、ほぼ毎晩全員一緒に食べている。今夜は現地に駐在する日本人の知り合いに、ホテルからほど近いウズベキスタン料理店「チャイハナ・フローパク」に連れて行ってもらった。
 
 フローパクとはウズベキスタンの名産品・綿花のことだそう。ここも大変人気のあるお店で、中央アジア版小龍包といった感じの「ヒンカリ」、スパイシーな焼うどん「ラグマン」、エビやお肉のグリルなど、日本人の口にも合うものばかりだ。
   
 何でもシルクロードの途中にあるウズベキスタンでは、オアシスで食べられる新鮮な野菜が何よりご馳走だそうで、ここの前菜もビーツやホウレン草を使った鮮やかな色のものが多い。
 
 
 ここのもう一つの特徴、それはエキゾチックな内装である。民族衣装や綿花が飾られていたり、水タバコの大きなパイプが置かれている。
そしてトイレがまたおもしろい。真ん中に井戸風の手洗いがあり、それをぐるりと取り囲んだ形式で個室が並ぶのだが、この個室も一つひとつ変わっている。便器が二つ並んで二人で使えるようになっていたり、個室の中にもう一つ個室があったり、探検するのも楽しい。実用のためかどうかはわからないが、お店に行ったら忘れずにトイレも使ってみてください。
 
        

ロシア極東連邦総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子