極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

最近のロシア、これからのロシア

 一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第7回目(最終回)の講話内容です。
テーマ:「最近のロシア、これからのロシア」
講 師:イリイン・セルゲイ(本校校長)
 ロシアでは、来る3月4日に大統領選挙があります。誰に決まるかは、みなさん、もうご存知でしょう。
 昨年9月にメドベージェフ大統領が、次の選挙に出馬しないことを表明しました。2008年に憲法が変わり、ロシアの大統領の任期は4年から6年になりました。これにより、プーチンが再び大統領になると、ブレジネフ(ソ連共産党の最高指導者)より長く政権の座に就くことになります。
 モスクワでもどこでも今、多くのデモが行われています。これはプーチンが大統領になることについて反対しているばかりではなく、プーチンに賛成している人もそうでない人も、公正選挙のためにデモをしています。
 私も昨年12月に行われた総選挙に参加(函館の領事館で投票)しましたが、開票前から結果は決まっていました。私はウラジオストクの友人たちに電話をして、誰に投票したか尋ねました。私の友人には統一ロシアに投票した人はいませんでしたが、統一ロシアが第一党になりました。なぜでしょう?
 デモはまだ続いています。反対派も支持派も同時に行っています。スローガンは同じ、「公正選挙のために!」です。
 今、ロシアで一番足りないのは民主主義です。それから、道路整備が一番問題になるでしょう。たとえば、ウラジオストクからモスクワまで車で行こうと思っても、行くことはできません。つながる道路がないからです。これはこれからの課題になるでしょう。
 また、引き続きワイロの問題もあります。トンネルに明かりが見えない状態です。このようなことは政治によって変えなければならないと私は思います。

 講座の終了後に、鮭のピロークとロシアンティーでささやかな茶話会を開きました。
* はこだてベリョースカクラブでは平成24年度の受講生を募集しています。
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