極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

2016年を振り返る

 いつも「極東の窓」をご覧いただき、ありがとうございます。
 2016年、函館は3月の北海道新幹線開業に沸いた1年でありました。運行開始の3月26日にはブルーインパルスが上空を飛行してお祝い、今では飛行機のほかに新幹線で東京に行く、という選択肢が生まれました。
 10月にウラジオストクの極東大学本学から日本語を学びにきた留学生たちは、ウラジオストクから韓国の仁川経由で青森空港に到着、乗り換えて新幹線で函館に入るというように、交通手段が増えたことは、ますます函館への距離も近くなったことを意味します。どうぞ身近になった函館へお越しください。
 今年ブログでは、過去の「はこだてロシアまつり」で作ったスタッフTシャツをアーカイブとして振り返りました。
 ロシアまつりは秋、夏、冬と時期を移しながら、過去18回開催していますがTシャツは第4回から作り始め、今までに15枚のTシャツができ上がりました。その時のまつりのテーマは何だったか、誰がデザインしたか。その時々で学生からいろいろなアイディアが出て、みんなで作り上げたまつりの楽しかったことを思い出します。頭を悩ませ、時間をかけてのまつり準備は大変ですが、大変なほど、お客様にもたくさん来ていただけるし、喜んでいただけるものでもあります。
 ところで今年は事務局の職員がロシアに出張する機会にも恵まれました。
 私は8月末から9月の初め、JT奨学金夏季短期インターンシップに参加する学生3名に同行し、初めてサンクトペテルブルクとモスクワを訪れることができました。
 今までは学生だけでロシアに送り出していましたが、インターンシップが3年目にあたる今年、一度検証が必要だったことと、受け入れ先へのご挨拶も兼ねて職員が同行することになったのです。
 学生時代に東京やロシアで企業訪問をし、現地で働く日本人に話を聞く機会などそうあるものではありません。企業訪問以外にも、留学実習で必ず訪れるウラジオストク以外のロシアを見ることができ、今まで学習してきたロシア語の力を試す機会でもあります。学生にとって将来進むべき方向を定めるためにも、大変有意義なプログラムであることがよくわかりました。
 そして現地で活躍される日本のビジネスマンたちは、自分の仕事に誇りを持ち、ものすごく優秀であり、努力もしている方々でありました。学生には高い目標でありますが、自分の夢を叶えるために何をすべきか、考えるきっかけになったことでしょう。
 私自身は、過去2回訪れたウラジオストクとはまた違う、ペテルブルクとモスクワの歴史の重厚さに圧倒されながら、ロシアの奥深さを再認識した旅でした。そして知っている限りのロシア語を使い、何とか目的地にたどり着いたり、ほしい物を手に入れたり。例えば窓口で列車の切符を買うこと一つにしても、前の人の表現を真似てみたり、たとえ片言でもこちらが一生懸命話そうとすれば、向こうもわかろうとしてくれるので、何とか通じる。そのような肌で感じたロシアについては、この「極東の窓」でも訪問記として追々お伝えできればと思っております。
 また、事務局の福尾瞳さんが初めてのロシアとして、10月にウラジオストク本学へ出張しました。サンクトペテルブルク、モスクワ、そしてウラジオストク。出張の合間にそれぞれが撮ってきた写真があまりにも絵になるので、カレンダーを作ってはどうか、という話になりました。
 写真を選び、月や曜日もロシア語で入れよう、だったらロシアの祝祭日も加えて、巻末に意味も載せようと、どんどん盛り上がっていきました。カレンダーのデザインや構成は福尾さんが担当してくれました。ロシア語の表記についてはロシア人の先生方の力を借りて、とても素人が作ったとは思えない、満足のいく仕上がりになりました。
 このカレンダーは来る2月11日(土・祝)の第19回はこだてロシアまつりで販売するほか、その前でも事務局にて販売します。収益はロシアまつりの収入とし、学生の活動に役立てようと考えています。
 
 最初からカレンダーにするつもりはなく写したスナップばかりですが、それでも切り取った景色からこのような写真が撮れてしまうのは、ロシアのすごいところだと思います。
 来年もまた、ガイドブックやウィキペディアではわからない、私たちにしか伝えられないロシアの魅力を書いていければと思います。
 みなさまにとりまして、来年もよい年でありますよう。
 

ロシア極東連邦総合大学函館校 事務局 大 渡 涼 子